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PubCaseFinderの新機能として「PanelSearch」と「CaseSharing」を公開しました

2023年7月1日に、DBCLSのWebサービスPubCaseFinderに、新機能として「PanelSearch」と「CaseSharing」を追加し公開しました。

PanelSearch

https://pubcasefinder.dbcls.jp/panelsearch

CaseSharing

https://pubcasefinder.dbcls.jp/casesharing


PanelSearchについて

PanelSearchは、ヒトの9,998の希少・遺伝性疾患に関連する遺伝子パネルデータを検索して活用できる公開データベースです(図1)。PanelSearchには、以下のような特長があります。

  • ゲノム配列の効率的な臨床的解釈に役立てることができます。詳細については以下の文献をご参照ください。
  • 疾患名または遺伝子名でヒットした遺伝子パネルデータをダウンロードできます。また、9,998件の全遺伝子パネルデータもダウンロードできます。
  • PanelSearchは、多くの希少・遺伝性疾患を含むMonarch Disease Ontology(Mondo)をベースに、それぞれの疾患について疾患原因遺伝子を自動でまとめた遺伝子パネル用データを構築しました。Mondoの疾患階層情報を利用することで、例えば「Mendelian disease」などの疾患グループの遺伝子パネル用データも自動で構築しています。
  • 今後、指定難病および小児慢性特定疾病を含むNanbyo Disease Ontology(NANDO)をベースに、難病用の遺伝子パネル用データを構築し公開する予定です。

Fig-1 図1. 疾患名で遺伝子パネルを検索した結果


CaseSharingについて

CaseSharingは、ユーザ自身で集積した希少疾患・遺伝性疾患の症例情報を登録し、管理するための機能です(図2)。希少・遺伝性疾患の症例情報は、診断・治療・創薬などの研究に欠かせないリソースですが、症例自体が希少であり、多施設でそれらを継続的に集積する必要があり、将来的には一箇所に集積され利活用されることが望まれます。そのためには、複数の施設・ユーザにとってアクセスの利便性が高く、曖昧な記述を除いた上で共通フォーマットで症例情報を保存し管理できるシステムが望まれています。本機能は、ウェブにアクセスできれば誰でも利用することができ、共通の記述・フォーマットで症例情報を登録・管理することが容易な機能を提供し、多施設に集積した症例情報を結合することも容易です。CaseSharingには、その他に以下のような特長があります。

  • ユーザ登録なしで利用することができます。
  • 症例情報はクラウドに保存されるのではなく、ユーザ自身のコンピュータに保存されます。
  • 国際的な症例情報共有形式であるPhenopacketsやOMOPに対応する予定です。
  • 英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)に対応しており、世界各地のユーザとの情報共有もスムーズになります。

Fig-2 図2. CaseSharing全体像


今後のPubCaseFinderについて

PubCaseFinderはこれまで、希少・遺伝性疾患検索機能を提供するWebサービスとして運営してきましたが、PanelSearchおよびCaseSharingの追加に伴い、従来の希少・遺伝性疾患検索機能をDiseaseSearchとし、PubCaseFinderはこれら3つのWebサービスの総称とします。

Fig-3 図3. PubCaseFinderが提供する3つのWebサービス